南口の再開発事務所において、北口の再開発計画についての話し合いが行われました。
昨年までの準備組合だけの議論ではなく、保留床を持ち床会社としてのTMOが取得することも可能性として探りながら、まちづくりの観点からのビジョンづくりの場です。
まちづくりの観点からどんな素晴らしいビジョンが出来上がっても、最終的には地権者自身がどれだけ一枚岩で、推進に向けて進んで行く気持があるかが重要なことであると思います。そしてその際の議論の中では、当然事業の採算性という問題をクリアーしてゆかなければなりません。そこで昨日までの視察の中で感じたことを参考意見として話をさせていただきました。
神戸の東灘区住吉で見た再開発は、平均分譲価格5000万円という181戸のマンションが民間の部分としては中心でした。そのマンションの空地部分も含め非常にハイアメニティな空間でした。今後益々の高齢社会を迎えるにあたり、駅前で車を使わなくても身近な生活圏の中で暮らすことのできるマイホームとして、高齢者向けの高級マンションは需要が旺盛とのことでした。
北口の再開発議論の中で「駅のまん前に住宅・・・という状態は、まちづくりの観点・まちの景観からあまり好ましくない」といった意見もありますが、今回の視察で私は認識を少し改めました。今回の事例のように高級マンションとなると、まちづくりや地域の良好なるコミュニティーづくりの観点からむしろ良い効果を生み出すのではないかと思いました。
この北口開発を計画するに当たって、事業成立性が高い住宅での計画を先ず描いて、その計画の中に「駅前という立地から市民ニーズとしてどうしても必要な公共施設や、TMOの持つ床を入れ込んで行き、その分の住宅部分を削って行く。」といった手法(順序)の方が、今回のように公共施設の床やTMOの床を図面に描いて「ここを埋める何か良いアイデアはないか?」と考えるより、実現性が高いと思われますし、「空間が生まれるから何かで埋める」という発想でなく、真に必要とされる物を入れるという意味では正しい理論展開だと思います。
もっとも、私の発言は事業推進を少し急ぎすぎているきらいがあるのかもしれませんが・・・・・。
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