郵政問題についての考え方
衆議院議員 大村秀章
郵政三事業は郵便,貯金,保険それぞれに国民生活の安心のネットワークであり基盤であり,三事業一体で安定的に運営されることによってその効果が発揮できます。明治以来130年有余,営々と築いてきた全国24,700の郵便局ネットワークを,21世紀においても活かしきっていくことが国民生活の利便の向上につながる訳で,ワンストップ行政サービスの推進などは,まさにそのいい例だと思います。これからもこうした郵便局ネットワークと,これに支えられた郵政三事業の発展を考えていくことが21世紀の初頭,時代の節目に当たっての我々政治家の使命だと考えます。
こうした考えに基づいて,これまでも郵政事業の発展及び郵政公社の経営の安定化について,人一倍の努力をしてきたところです。
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そうした中で,今回の郵政民営化問題については,常に国民生活の利便を第一に念頭に置いて,郵政三事業の発展,郵便局ネットワークの維持を考えて,その旨の主張を行い,率先して行動してきました。その結果,さまざまな議論を経ましたが,今回,
- 都市部を含め,利用する国民の利便性に支障が生じないよう,郵便局ネットワークが維持される方針が確認できたこと。
これを後押しする意味で,2兆円の基金を積み立てることとなったこと。 - 貯金,保険も含めて,郵政三事業について,全国あまねくそのサービスが行われる方針が確認できたこと。
- 郵便局ネットワークを維持するためにも極めて重要な三事業の一体性の確保について,各会社の株式の持ち合いがスムーズにできるよう確認できたこと。
- 郵便局ネットワークを維持するためにも,新しい事業やサービスに積極的に打って出られること。
- 3年ごとに進捗状況をチェックし,いつでもその見直しができることを確認したこと。
といった重要な点で政府と自民党とで合意をみることができました。
私は,この点は,郵政三事業を発展させる。郵便局ネットワークを維持する。といった,これまでの,自身の行動指針からしても,一定の評価ができるものと考えます。
また,株式会社に移行しても,その株式の3分の1超は国が保有することが担保されており,経営権は実質的には国が保有し,形式は変わっても実態的に公社と変わらない経営が可能であるとも考えます。
以上の点を総合的に勘案すると今回の修正案は郵便局の経営を考えた場合,容認できるかどうかギリギリのところまでもってこれたのではないかと考えます。
- 都市部を含め,利用する国民の利便性に支障が生じないよう,郵便局ネットワークが維持される方針が確認できたこと。
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そして,今回の政府,自民党の合意は正式な手続きを経て総務会の議を経て決定されました。この議決,決定には自民党に所属する限り拘束力があります。
また,私は,現在自民党愛知県連の会長という党組織の愛知を代表する立場であります。
こうした党の正式な決定を遵守すべき立場にあることは申すまでもありません。 -
以上の諸点をすべて念頭に置いて,私なりに慎重に熟慮に熟慮を重ねた結果,私は,今回は政党人として,自民党の愛知を代表する者として,党の正式決定に従って,粛々と行動することといたしました。
そして,その上で,私がこれまで取り組んできた郵政三事業の発展。郵便局ネットワークの維持。国民に愛され支持される郵便局づくり。という政策に引き続き全力を傾注してまいりたいと存じます。今回の決定が後で振り返って,郵便局のためになった,国民のためになった,と言われるような改革に仕上げていけるようしっかりとフォローしていきたいと存じます。私がこよなく愛する郵便局の更なる発展のために,この上も尽力してまいりますことをお誓い申し上げ,私の郵政問題についての考え方の表明とさせていただきます。
どうか,意のあるところをご賢察いただき,ご理解とご支援を賜りますよう,お願い申し上げます。
――― 以 上。