平成19年度
施政方針及び議案の大綱
刈谷市長
平成19年3月市議会の定例会にあたり、所信の一端とご提案申し上げております議案の大綱についてご説明申し上げ、議会並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
平成18年度も残すところ僅かとなりました。私は、これまで3期12年に亘り、「公平で清新な市政」の運営に努め、「安心」「快適」「活力」「魅力」をまちづくりのキーワードに、市政を担当してまいりました。幸いにして議会並びに市民の皆様の温かいご支援とご協力を賜り、概ね順調に市政運営を進めることができましたことに、厚くお礼を申し上げます。
特に3期目におきましては、本市の更なる飛躍を目指し、「活力」と「魅力」づくりに積極的に取り組んでまいりました。平成16年12月にオープンしました刈谷ハイウエイオアシスをはじめ、新しい体育館のウィングアリーナ刈谷、JR東海道本線の市内4番目の駅となります野田新町駅、旧依佐美送信所跡地周辺を活用しましたフローラルガーデンよさみなど、第6次刈谷市総合計画に掲げました主要事業について、順調にその推進を図ることができました。これらは、市民の皆様の生活環境の向上の一翼を担う施設として愛され、利用していただけるよう期待しております。
さて、平成12年の地方分権一括法の施行以来、国と地方のあり方が変化してまいりました。国から地方への事務権限や税源の移譲など、まだまだ不十分な面はありますが、地域の特性を生かしたまちづくりは、地方が自己決定と自己責任に基づき推進すべきであるとの考え方は、確実に定着してまいりました。
昨年12月には、地方分権をさらに推進するため、「地方分権改革推進法」が時限立法として制定されました。これまでの成果と課題を踏まえ、今後3年以内に推進計画が策定され、国と地方の役割分担の見直し、国から地方への事務権限及び税源のさらなる移譲、国と地方の二重行政の解消による行政の簡素化などの改革を一体的に進める第二期の地方分権改革が第一歩を踏み出しました。
こうした状況の中、本市が市民の皆様の負託に応え得る自治体であり続けられるよう、経営という感覚を備え、変化の激しい社会に対応し、各種施策を推進できるよう努力していかなければなりません。
私は、先の市議会定例会におきまして、今期限りで市長の職を退く考えを申し上げたところでありますが、多くの懸案事業に一定の目処ができたとは言え、本市の将来には、まだまだ重要な課題が山積しております。本市の都市像であります「人にやさしい快適産業文化都市」の実現を目指し、残された任期を、市民生活の向上を目指して、全力で取り組んでまいりますので、今後とも皆様の一層のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
それでは、以下、平成19年度の主要施策と予算における基本的な考え方につきまして、ご説明申し上げます。
第一点目は、「やすらぎと安心」であります。
安心して生活できるまちの実現を目指し、「防災」、「生きがい」、「子育て」の視点から各種施策を推進してまいります。
まず、第1として、災害対策です。
昨年は、本市に大きな被害をもたらすような災害はありませんでしたが、災害から市民の生命と財産を守ることは、行政の重要な責務であり、これまでも積極的に災害対策に取り組んでまいりました。引き続き、重要施策として東海豪雨や阪神大震災などの教訓を生かし、各種事業を推進してまいります。
雨水対策につきましては、東海豪雨で被害の大きかった地域を中心に排水機場や雨水幹線などの整備を進めてまいりました。引き続き、治水機能の強化を図るため、河川や排水路の改修工事を進めてまいります。準用河川草野川や折戸川、泉田町地内の排水路の改修事業の早期完成を目指すとともに、新たに西境町地内の発杭排水路の改修を進めてまいります。
また、新年度から、現行の「雨水総合対策整備計画」の改定を行い、境川、猿渡川水系の流域整備計画との整合を図り、今後の雨水対策のあり方を検討してまいります。
地震対策につきましては、公共施設の耐震補強工事、水道の石綿管の敷設替え、備蓄倉庫の充実、木造家屋の無料耐震診断などを積極的に行ってまいりました。引き続き、避難経路や支援物資等の輸送路を確保するため、主要な幹線道路の橋りょう補強などの整備を進めるとともに、児童生徒などの安全確保のため、小中学校校舎の改築及び耐震補強工事、保育園や幼稚園の外壁落下防止工事などを実施してまいります。これらの耐震補強事業につきましては、目標としておりました平成19年度までに完了する予定であります。
第2は、心やすらぐ生きがいのあるまちづくりです。
健康で生きがいのある生活を送るための環境整備に向け、各種施策を推進してまいります。とりわけ、高齢者や障害者の方々が、住みなれた地域で安心して暮らすことができる体制づくりに努めてまいります。
生きがいのある人生を送るための基本であります健康の維持増進につきましては、各種検診事業を充実するとともに、「自分の健康は、自分で守る」ための正しい保健知識の普及啓発に努め、健康づくりなどの事業を展開してまいります。
新年度には、市民ニーズの高まりや事業の拡充などにより手狭となっている保健センターにつきまして、移転改築のための基本設計を進めてまいります。また、医療機関で実施する妊婦健康診査につきましては、現行の2回分の無料受診を7回分までできるよう制度の拡充を図ってまいります。
高齢者、障害者などに対する福祉施策につきましては、多様化するニーズに的確に対応し、公的サービスのみならず、地域住民やボランティアなどの福祉活動への積極的な参加を促進し、社会全体で支えあう仕組みづくりに取り組んでまいります。
障害者施策につきましては、本年度策定を進めております「刈谷市障害者計画」及び「刈谷市障害福祉計画」に基づき、これまで本市が進めてきた各種施策がより効果的に推進できるよう努めてまいります。
介護保険につきましては、予防重視型システムへの一層の転換を図り、介護保険事業の安定的な運営を目指してまいります。そのため、介護予防の中心的な役割を担う地域包括支援センターを充実するため、現在の1箇所から3箇所に増設し、介護の予防と改善に努めてまいります。
また、本年度、社会福祉法人が小垣江地区に建設を進めておりました市内3箇所目となります特別養護老人ホームが完成いたします。新年度から、併設しております生活支援ハウスを活用し、生活に不安を抱える高齢者への支援を行ってまいります。
さらに、軽度の要介護認定を受けた方に対して、ベッドの貸与に係る費用を補助することにより、自立支援と負担軽減を図ってまいります。
第3は、子育て支援です。
少子化が進む中、社会全体で子育てを担うことができるよう各種施策を推進してまいります。これまでも、子育て支援を重点施策として位置づけ、積極的に事業を推進しており、全国的にも子育て施策先進都市として高い評価をいただいております。
本年度には、公設では市内3箇所目となる北部子育て支援センターが完成いたしますので、あおば子育て支援センター、南部子育て支援センターと連携することにより、子育て支援活動の拠点となるよう取り組んでまいります。
あおば保育園につきましては、刈谷税務署跡地への移転改築工事に着手し、現在の90人定員から120人定員へと施設の拡充を図り、待機児童の解消に努めてまいります。
また、新年度から、幼児・児童が病気又は病気回復中に、診療体制のとれた施設で一時的に保育を行う病児・病後児保育事業を実施するとともに、幼稚園で実施しております預かり保育について、現行の3園から全16園で実施できるように事業の拡充を図ってまいります。
このほか、地域の子育て支援団体間のネットワークの構築や、子育て支援情報の充実を図るためホームページの拡充にも取り組んでまいります。
第二点目は、「ゆたかさとやさしさ」であります。
市民生活の快適性と利便性の向上を図るため、「都市基盤」「環境保全」「人にやさしいまちづくり」の観点から各種施策を積極的に推進してまいります。
まず、第1として、都市基盤の整備されたまちづくりです。
機能とうるおいの調和した市街地の形成を推進していくため、特に、都市形成の重要な要素であります道路、下水道等の基盤整備に積極的に取り組んでまいります。
道路につきましては、「交通渋滞緩和」を重点施策に位置づけ、積極的に事業に取り組んでまいりました。引き続き、幹線道路の整備を進めることにより交通機能の充実を図ってまいりますが、特に南北の交通機能の充実を図るため、JR東海道本線及び名鉄三河線を横断する市道2−581号線及び市道2−622号線の早期完成に向け取り組んでまいります。また、南北縦貫道路の一部であります国道1号線から西境町地内までの市道01−4号線の整備に引き続き、熊地区から国道155号線までの市道01−40号線の整備に着手してまいります。このほか、都市計画道路高須線などの拡幅を進めるとともに、新たに上重原野田線の整備に向け、関係機関との調整を進めてまいります。
また、安全で快適な生活道路の整備にも積極的に取り組んでまいります。現在進めている生活道路の整備を早期に完成できるよう進めるとともに、新たに井ケ谷地区や野田地区などにおいて生活道路の拡幅事業に着手してまいります。
公共下水道につきましては、処理区域の拡大に努めており、今年度末には普及率73.6パーセントとなる見込みであります。引き続き、事業の推進に努めるとともに、整備された下水道への接続世帯数の増加に努め、環境負荷の軽減を図ってまいりたいと考えております。
良好な市街地整備を推進するため、引き続き、小垣江駅東部や野田北部などの土地区画整理事業を進めてまいります。特に、野田北部につきましては、JR野田新町駅が開業することから、積極的に駅周辺の整備を進めてまいります。また、長年進めてまいりました北刈谷第二土地区画整理事業につきましては、平成20年度に換地処分ができるよう努めてまいります。
市営住宅につきましては、現在、住吉住宅の第1期整備を進めておりますが、新年度からは第1期整備に並行して、第2期整備に着手し、早期の完成を目指してまいります。
第2は、環境保全対策の推進です。
環境にやさしいまちづくりを推進するために、市民の皆様のご協力をいただき、省エネ、省資源及びごみの減量、資源化を積極的に推進してまいります。
太陽光発電システム、高効率エネルギーシステム、低公害車、生ごみ処理機などの購入に対しての補助制度や環境教育実践事業などを通じて、環境にやさしい生活スタイルの普及啓発を図ってまいります。また、本年度実施しました温室効果ガス排出量調査などをもとに、「地球温暖化対策地域推進計画」を策定し、地球温暖化防止への取り組みを市民・事業者・行政が連携協力して実践してまいりたいと考えております。
また、新たに設置しましたごみの不法投棄監視カメラは、ごみの不法投棄防止に高い効果がありましたので、新年度におきましても増設を行い、より一層の不法投棄の抑止を図ってまいります。
そのほか、昨年度から工事に着手しましたクリーンセンターのごみ焼却施設の整備を進めるとともに、長期的総合的な観点から「一般廃棄物処理基本計画」を改定し、ごみの減量化や資源化を図ってまいります。
なお、新年度からは、ごみ収集等の業務を中心に清掃事業室を設置し、環境課における政策立案機能の充実とごみ収集体制の強化を図ってまいります。
第3は、人にやさしいまちづくりです。
誰もが安心して社会参加が可能となる環境の形成が、本市の都市像であります「人にやさしい快適産業文化都市」の重要な要素の一つであります。
多くの方が利用する公共施設においては、ユニバーサルデザインの理念を取り入れ、子どもからお年寄りまで使いやすい施設となるよう整備を進めてまいります。
新年度には、名鉄刈谷駅へのエレベーターや多目的トイレの設置、視覚障害者誘導ブロック敷設などに対し助成を行ってまいります。また、刈谷駅西側の名鉄三河線の踏切は、幅員も狭く人と車が錯綜しておりますので、関係機関と協議を行い、踏切改良に向け取り組んでまいります。
このほか、現在計画を進めております新庁舎建設事業につきましても、市民の皆様から親しまれ、利用しやすい庁舎となるよう努めてまいります。
防犯対策につきましては、地域安全パトロール隊などの活動を通じて、犯罪のない住み良いまちづくりに積極的に取り組んでいただいております。犯罪を未然に防止するためには、このような身近な活動が重要であり、市民と行政のパートナーシップによる事業推進に努めてまいります。
第三点目は、「活気と希望」であります。
いきいきと暮らせるまちの実現を目指し、「市街地活性化」、「産業振興」、「教育」の視点から各種施策を推進してまいります。
まず、第1は、地域の特性を生かした市街地活性化の推進です。
活力あるまちづくりを進めていく核として、駅周辺を始めとする市街地の活性化は極めて重要であります。
長年懸案となっておりました刈谷駅南地区市街地再開発事業につきましては、この3月に工事着手できる運びとなりました。市民ホールなどの公益施設と商業施設、住宅などが一体的に整備され、活気あふれる駅前空間の形成やまちの賑わいの創出ができるものと期待をしているところであります。
また、再開発事業に併せ、刈谷駅周辺が本市の玄関口としてふさわしい駅前広場となるよう整備を進めてまいります。新年度には、南地区に収容台数約650台の駐輪場の整備を進めるとともに、北地区の駅前広場の整備などを進めてまいります。
中心市街地におきましては、銀座地区において予定されている優良建築物等の整備に対し助成を行うとともに、市道2−496号線の道路拡幅などの基盤整備を進めてまいります。
第2は、バランスのとれた産業の振興によるまちづくりです。
この地域は、全国的に「元気な愛知」と言われる中にあって、自動車関連産業を中心に活力のある地域であります。この活力を維持し、市民が生きがいのある生活を営むことができるようバランスのとれた産業の発展を支援してまいります。
農業振興につきましては、農業従事者の高齢化が進み、後継者不足など厳しい環境でありますが、東境町銀河地区のパイプライン化などの基盤整備を推進するとともに、認定農業者等育成促進事業などを通じ、利用権設定や農作業受託などの利用集積による経営規模拡大を図り、担い手農家への支援を行ってまいります。
また、団塊の世代の退職者などを視野に入れ、農作業に親しむ環境づくりを進めるため、JA西境支店跡地に(仮称)刈谷ニューファーマーズセンターを整備し、年々増えております耕作放棄地などを活用した生きがい農業の推進に取り組んでまいります。
商業振興につきましては、国内全体としての景気は成長を続けておりますが、個人消費は伸び悩んでおり、小売業などを取り巻く環境は、依然厳しいものがあります。引き続き、商業者の方々が新たな取り組みにチャレンジできるよう、商工会議所を通じて勉強会の開催などを支援してまいります。また、商店街などとの連携を強化し、賑わいあふれる魅力ある商店街の再生に取り組んでまいります。
工業振興につきましては、中小企業開発マネジメント事業や事業者のビジネスチャンスの開拓や異業種交流を目的とした産業展の開催など、引き続き、地域産業の活性化を支援してまいります。また、新たな工業用地の確保に取り組んでまいりたいと考えております。
このほか、新年度から、ニート支援事業や再就職支援事業としてのセミナーやフォーラムの開催、人材確保事業として求人を希望する企業に対するセミナーの開催など、就業機会の増大を図るための事業を実施してまいります。
第3は、個性豊かな特色のある教育の推進です。
次代の社会を担う子どもたちが、創造性に富み、心豊かでたくましい人格を備えた人として成長できるよう、さまざまな教育活動を展開できる環境の整備を積極的に進めてまいります。
教育環境の整備として、耐震補強工事はもとより老朽化しております校舎の改築、児童生徒の増加に合わせた校舎の増築を進めてまいります。新年度におきましては、引き続き、刈谷東中学校北舎の改築、刈谷幼稚園の増築を進めるとともに、双葉小学校の北舎、小垣江小学校の体育館、小高原小学校のプールの改築を進めてまいります。
また、暑い夏においても、子どもたちが授業に集中できるよう、全小中学校の普通教室に扇風機を設置してまいります。平成19年度は、小学校の整備を進めてまいります。
一方、子どもたちの学力の向上を図り、学習の基礎、基本の確実な習得と個々の児童に応じたきめ細かな指導を行う少人数授業につきましては、市独自に加配教員を増員してまいりましたが、引き続き、必要な教員を増員するなど、指導の充実に努めてまいります。また、自ら課題を見つけ、子どもたちが主体的に判断し、解決する資質や能力を育む「総合的な学習の時間」や、思いやりや感動する心など「豊かな心」を育む教育など、学校の特色を生かした多様な授業の充実が図られるよう支援をしてまいります。
第四点目は、「誇りとうるおい」であります。
地域の特性を生かした魅力づくりに取り組み、うるおいと楽しさあふれるまちづくりの実現を目指し、「自然環境」、「生涯学習」、「郷土の魅力」の視点から各種施策を推進してまいります。
まず、第1として、人と自然がふれあう緑豊かなまちづくりです。
旧依佐美送信所跡地周辺を活用しましたフローラルガーデンよさみが完成し、新年度にはオープンしてまいりますが、公園の管理運営には、民間のノウハウなどを活用し、市民の皆様に愛される公園となるよう努めてまいります。
刈谷ハイウエイオアシスにつきましては、現在供用開始しております第1期整備区域に引き続き、第2期整備として平成19年度の完了に向け、メリーゴーランド、ゴーカートなどの遊戯施設や、既存の樹林地に自然を活かした林間遊具、散策路などを整備し、自然環境と調和した憩いの空間づくりを進めてまいります。
また、地域再生計画として国の認定を受けております「刈谷レストラーレ構想」につきましては、本年度策定しました基本計画に基づき、新年度以降、人と自然との交流を図り、休日を過ごす癒しの空間の創出に向け、岩ケ池公園から洲原公園までの散策路となる緑道などの整備に着手してまいります。
第2は、生涯学習の推進によるまちづくりです。
市民の皆様の生きがいや自己実現の一つとして、「いつでも、どこでも、だれでも」生涯学習に親しむことのできる環境整備に努めてまいります。
総合運動公園につきましては、新しい体育館でありますウィングアリーナ刈谷と人工芝1面、天然芝1面のサッカーグラウンドが完成します。既存の施設とともに、本市のスポーツの中心的役割を担う施設となるよう充実に努めてまいります。新年度は、ウィングアリーナ刈谷のオープニング事業として、年間を通して様々な記念事業を予定しております。さらに、現在の体育館の北側に武道施設を建設し、剣道、柔道、弓道などの武道の拠点施設として整備を図ってまいります。
生涯学習の拠点となります生涯学習センターの整備につきましては、新年度に愛知県から刈谷勤労福祉会館の譲渡を受け、改修工事を行い、平成20年度のオープンを目指してまいります。
また、市民ニーズを的確に把握し、各施設で開催される市民講座やスポーツ教室などのソフト事業の充実も図ってまいります。
このほか、新年度から「スポーツマスタープラン」の改定を進め、今後のスポーツ振興施策のあり方を検討してまいります。
第3は、人の集まる魅力あふれるまちづくりです。
古くから城下町として栄えてきた本市には、多くの歴史的文化遺産があります。また、市民の交流拠点となるよう市街地整備や公共施設の整備を図ってまいりました。古さと新しさを組み合わせ、魅力あるまちとなるよう市民の皆様とともに、刈谷を盛り上げてまいりたいと考えております。
これまで同様、「大名行列」、「万燈祭」などをはじめとする郷土の有形、無形の貴重な伝統文化につきましては、その継承や市民の方々の活動に対し積極的に支援してまいります。さらに、新年度には、郷土資料館に展示してあります山車の修理を行ってまいります。
「桜まつり」「わんさか祭り」「花火大会」「洲原音楽祭」など、四季折々に開催される各種事業に対しても、主催する観光協会への助成を行い支援してまいります。また、一昨年の愛知万博の一市町村一国フレンドシップ事業の理念を継承し、スポーツ交流、文化交流などを通じて地域における国際交流の定着を図ってまいります。
子どもたちから高い人気を得ております交通児童遊園につきましては、道路整備と併せ、遊園施設の再整備と大型遊具の更新を行っております。現在、新しい管理棟を建設しておりますが、新年度には、大型遊具の更新が完了する予定であり、平成20年度の遊園施設全体の整備完了に向け、積極的に事業を進めてまいります。
また、美術館におきましては、質の高い芸術にふれる機会として、「チェコ絵本とアニメーションの世界展」、「和田英作展」、「岸田劉生展」といった企画展を開催するとともに、所蔵作品などを常設展示し、市民の文化的な活動や鑑賞の機会を幅広く提供してまいります。
以上、これまで申し上げてまいりました施策、事業を総合的効果的に進めることにより、市民の皆様が元気で活力ある生活を過ごすことができる魅力あるまちとなりますよう全力を傾けてまいります。
予算の大綱
次に予算の大綱についてご説明申し上げます。
世界経済の着実な回復が続く中、我が国経済は、企業部門、家計部門ともに改善が見られるなど、明るい兆しを見せている一方で、いよいよ団塊世代の大量退職時代が到来し、少子高齢化が確実に進行しており、持続的な発展を確実なものにするためには、引き続き国、地方を問わない抜本的な経済、財政の構造改革が不可欠となっています。
このため、国は平成19年度予算を、今後5年間の新たな改革に向けた出発点となる重要な予算と位置づけ、引き続き歳出全般にわたる徹底的な見直しと、予算配分の重点化、効率化を実施し、基礎的財政収支の黒字化と国債発行額の抑制を目指した予算としております。
こうした状況の中、本市におきましては、健全で安定した財政を基本に、諸施策の着実な推進に全力をあげるとともに、「刈谷市行政経営改革大綱」の理念に基づき、より効率的で効果的な行政運営を積極的に図っていく必要があります。
平成19年度当初予算につきましては、従来からの継続事業を中心に、引き続き災害対策、防犯対策、環境対策、子育て支援対策、交通渋滞対策を重点施策と位置づけ、本市の持つ活力と魅力がさらに充実、発展し、将来に向かって本市が更に飛躍することを目指した「魅力ある未来をひら拓く躍進予算」とさせていただきます。
予算の概要につきましては、一般会計では557億189万円で、これは前年度当初予算と比較しまして、11.3パーセントの増であります。
また、土地区画整理事業、下水道事業、介護保険等特別会計は、309億71万4千円、水道事業会計は39億2,211万5千円で、これら全会計の総合計は905億2,471万9千円で、前年度と比較しまして7.9パーセントの増となっております。
この内、一般会計の歳入につきましては、歳入の根幹をなす市税が336億562万4千円で、前年度と比較しまして、4.5パーセントの増を見込んでおります。
次に歳出につきましては、構成比で大きな割合を占めているのは、小中学校、幼稚園の整備及び刈谷駅南地区の公益施設取得を中心とした教育費で27.4パーセントの152億3,933万6千円であります。
次いで、都市基盤整備、災害対策を中心とした土木費で、23.4パーセントの130億5,282万2千円、次に、民生費の19.6パーセントの108億9,192万5千円であります。なお、歳出に占める投資的経費の割合は、34.0パーセントであります。
一般議案
次に一般議案についてご説明申し上げます。
今回提案しておりますのは、報告案件1件、単行議案4件、条例議案11件、予算議案16件の合計32件であります。
まず、報告案件につきましては、刈谷市土地開発公社の平成19年度事業計画及び予算についてであります。
単行議案につきましては、監査委員の選任について議会の同意をお願いするもの、土地区画整理事業に伴う町及び字の区域の設定及び変更について議会の議決をお願いするものなどであります。
条例議案につきましては、刈谷市功労者表彰条例や岩ケ池公園公園施設条例を改正するものなどであります。
このほか、一般会計、特別会計合わせまして17億8,056万2千円を追加する平成18年度補正予算も提出いたしております。その主な内容は、一般会計の歳入において、市税の増加、総合運動公園整備基金廃止に伴う繰入金収入であり、歳出は基金への積立、事業費の減額などが主なものであります。
また、住吉住宅(1期)建設事業の継続費の補正、交通児童遊園施設整備事業などの繰越明許費補正も同時にお願いしております。
今回も多くの方々からご寄付をいただきました。心から厚くお礼申し上げます。
以上、平成19年度を迎えるにあたり、所信の一端と提出議案の概要を述べさせていただきました。
議員各位並びに市民の皆様の深いご理解とご協力をいただき、本市の都市像であります「人にやさしい快適産業文化都市」の実現に向けて、職員ともども全力を尽くす所存であります。
ご提案申し上げました諸議案につきましては、よろしくご審議賜りご賛同くださいますよう心からお願い申し上げ、説明を終わらせていただきます。