道路特定財源の暫定税率の撤廃は、
地方財政やあなたの暮らしを直撃します。
ガソリン税や軽油引取税などの道路目的税は、道路整備に使うための暫定措置として、租税特別措置法等で基本税率の約2倍の税率がかけられていますが、これが今年3月末で切れてしまいます。
これを延長する租税特別措置法改正案等を成立させないと、4月から国と地方合わせて2兆6千億円の税金が入ってこなくなります。
民主党は暫定税率を廃止すればガソリンがリッターあたり25円安くなると主張しています。そのことはありがたいことですが、税収入がなくなるため、地方財政や生活を直撃する大きな問題が生じます。いいとこ取りだけでは、みなさんの暮らしを守ることはできません。
- 暫定税率の撤廃は無責任な政策です。
暫定税率を撤廃すれば、確かにガソリンは25円、軽油で17円ほど安くなりますが、その場合、国と地方の税収を合わせて2兆6千億円の穴があいてしまいます。このうち都道府県市町村の収入は、1兆6千億円の大穴があきます。
この結果、全国1,800余の全ての自治体で予算に穴があき、既にギリギリの財政状況にある多くの自治体は、財政再建団体に転落し、日々の暮らしを守る行政に支障が出てしまいます。
- 地方自治体は大打撃! 道路特定財源は国民の貴重な財源です。
多くの自治体は、道路特定財源を道路の維持・管理や除雪、さらには過去の借入金の返済や契約済みの工事の支払いなどにあてています。
しかしこの税収が半分になれば、新しい道路の建設はもちろん、すでに始めている事業の大幅な遅れ・中断や、問題となっている古い橋の修繕など安全対策に全く手が付けられなくなってしまいます。また、ガードレール設置など学童の通学路の安全確保、病院へ行く生活道路の整備・維持など弱い立場にある人の安心・安全を守ることもできません。さらに、バリアフリーの整備や、開かずの踏切を解消するための立体化事業などもできなくなってしまいます。
- 日本のガソリン価格は決して高くありません。
日本のガソリン価格と税率は、世界の中では決して高くありません。
OECD加盟30ヶ国中、低い方から6番目で、例えば、イギリスのリッター価格は税込みでなんと225円もしています。ガソリンの値段は税金よりも国際的な取引価格に左右されるもので、昭和57年の第二次石油危機の時には、日本でも177円もしていました。今の原油高は投機が原因と言われており、一時的な価格高騰に反応して、国と地方の財政を破綻させてはなりません。
- 国の将来を見据えた責任ある政策を実行します。
民主党は暫定税率をなくしガソリンをリッターあたり25円安くすると宣伝していますが、同時に必要な道路を整備するとも言っています。そのお金はどこから出てくるのでしょうか。
わが党は、聞こえの良いつじつまの合わない政策ではなく、きちんと財源を明らかにし、真に国の将来を考えていきます。もちろん、原油の高騰で苦しんでいる方々への支援は別途着実に実施していきます。
これこそが責任ある政党の政策だと考えています。