平成21年度
施政方針及び議案の大綱

刈谷市長

平成21年3月市議会の定例会にあたり、所信の一端とご提案申し上げております議案の大綱についてご説明申し上げ、議会並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

さて、昨年の3月議会の冒頭において、世界的な原油や原材料価格の高騰、サブプライムローン問題等のアメリカ経済の不安要素などにより、国内景気に陰りが見えてきたとの報道がなされており、今後の国内外の経済情勢を注意深く見守っていく必要があるということを申し上げました。

その懸念が、まさに現実となり、昨年の後半からアメリカの金融不安などに端を発した経済活動の混乱は、景気低迷という渦に世界中を巻き込んでおります。我が国においても、いざなぎ景気を超える戦後最長の景気拡大を続けておりました国内経済は、一気に景気後退に入り、その波は日増しに大きくなっており、経済活動の縮小とともに雇用不安や消費低迷なども社会問題としてクローズアップされております。新聞等では、かつてない景気後退であるとの報道もされており、今後、この経済状況がどのように推移していくのか、危惧しているところであります。

こうした経済活動の低迷は、本市の歳入の根幹をなす市税収入に大きな影響を与えることとなります。株価の低迷や円高等による企業の業績の悪化などにより、新年度以降は法人市民税が大幅な減収となります。加えて、残業や夜勤等の縮小により企業で働く方々の所得の落ち込みや失業者数の増加なども予想されることから、平成22年度には個人市民税にも影響が及ぶのではないかと考えております。

これまで、本市は、堅調な市税収入に支えられ、市民生活の安心や安全に加え、ゆとりや豊かさが実感できる活力や魅力あるまちづくりにも力を注ぎ、各種の施策を積極的に進めてまいりました。こうした結果、経済誌等の各種の行政サービス度調査などにおいても、全国トップクラスの評価を得てまいりました。昨年末に実施しました市民意識調査においても、"住みやすい"と感じている方が約81%、"これからも住み続けたい"と考えている方が約86%という高い評価をいただいております。

今後も、まちづくりプランとして示した施策や事業をはじめ、市民ニーズや社会的課題などを的確にとらえ、慢心することなく、着実に市民生活の向上を目指し、施策の推進に努めてまいりたいと考えております。

しかし、新年度以降の財政状況を踏まえますと、現在進めている事業とあわせ、今後着手を予定している事業について、事業計画の組み替えが必要であると思っております。市民にとって、真に必要な事業をしっかりと見極め、市民の皆様の信頼に応えてまいりたいと考えております。特に、市民の安心や安全という面には留意し、「やすらぎ」「いきがい」における施策は積極的に進めてまいりたいと考えております。

また、厳しい時代だからこそ、将来へ向けた備えをしっかりと行い、現在の状況が好転したとき、さらに成長、飛躍ができるようにしていかなければなりません。未来への投資ということで、限られた財源を有効に活用しながら、「うるおい」「いろどり」といった活力や魅力づくりにも取り組み、市民から「しんらい」されるように、皆様とともに知恵と工夫で乗り越えてまいりたいと考えております。

施策の推進にあたりましては、「やすらぎ」「いきがい」「うるおい」「いろどり」「しんらい」という視点を大切に、これまで取り組んできました行政経営改革をさらに推進するとともに、財政調整基金などを有効に活用し、施策の着実な推進を図ってまいります。市民の皆様が"元気で幸せ"を実感していただけるよう、新年度予算においては、マニフェストに掲げた施策をはじめ市民ニーズや社会的課題の解決に向け、継続的に取り組んでいる事業を中心に、予算編成をさせていただきました。

それでは、以下、平成21年度の主要施策と予算における基本的な考え方につきまして、ご説明申し上げます。

はじめに、「やすらぎ」であります。

市民の皆様が、不安なく日常生活を送ることができるためには、"暮らしの安心と安全"が大変重要であると考えており、各種施策を積極的に推進してまいります。


子どもを安心して生み育てることができる環境の整備として、本年度から実施しました中学生までの医療費の無料化、妊婦健診や母子歯科健診の助成の拡大に続き、新年度から、保育園や幼稚園の第3子以降の保育料の無料化を進めてまいります。18歳未満の子が3人以上みえる方のうち、3人目以降の子にかかる保育園や幼稚園の保育料を無料にすることにより、子育てにかかる負担の軽減を図ってまいります。このほか、母子健康診査事業の拡充として、新たに産後1回の産婦健診を公費負担にするとともに、育児健康支援事業として、これまで第1子を出産された家庭を対象に行っていた赤ちゃん訪問を、第2子以降の家庭にも対象を拡大し、実施してまいります。

また、共働き家庭の児童の生活の場として、児童クラブの充実を図るため、小学校敷地内へ児童クラブの移転を進め、安全性の向上とともに定員の拡大を図ってまいります。新年度は、小高原小学校、双葉小学校及び東刈谷小学校の3箇所に児童クラブの建設を行ってまいります。


次に、高齢者や障害者の方が地域で安心して暮らすことができる環境の整備として、地域のコミュニティ施設であります市民館にエレベータを設置し、利用しやすい施設にしてまいります。新年度は、設置を必要とする市民館20館のうち、5館の整備工事を行ってまいります。

また、平成18年に長崎市でおきました認知症高齢者グループホームでの火災により多くの方の命が失われました。このことにより、4月からグループホームへのスプリンクラーの設置が義務化されることとなります。このため、新年度に、認知症高齢者グループホームへのスプリンクラーの設置に対し助成を行い、安全に入居できる環境の整備を図ってまいります。

このほか、障害者の方々を対象としたグループホーム等の整備を進めるための助成制度を設け、地域の中で助け合いながら生活ができる環境の整備を推進してまいります。


次に、犯罪のないまちづくりや災害から市民の生命と財産を守る取り組みとして、避難所である小中学校等の受水槽の水を、災害時の飲料用として提供できるよう、本年度から進めている給水用蛇口の設置については、新年度の完了に向け、引き続き、取り組んでまいります。

住宅の耐震診断への助成について、木造住宅に加え、本年度から非木造住宅にも対象を拡大しました。新年度からは、木造住宅の改修費補助の内容を充実するとともに、非木造住宅の改修費についても、新たに助成を行ってまいります。

また、最新の調査データに基づき、平成14年度に作成した洪水ハザードマップの更新を行ってまいります。愛知県が行った河川の氾濫解析データなども活用し、より実情にあったハザードマップを作成し、広く市民に周知することにより、災害時などの備えの一助にしていただければと考えております。

防犯の推進については、これまで進めてきました施策を継続するとともに、地域の防犯パトロール隊との連携を緊密にし、犯罪のない住みよいまちづくりに取り組んでまいります。新年度には、全小中学生に携帯用の防犯ブザーを配布し、登下校時の児童生徒の安全確保を図ってまいります。

次に、「いきがい」であります。

健康で元気に暮らすことができるよう、健康づくりや生きがい支援、産業の振興を図ってまいります。

そして、次世代を担う子どもたちの健やかな成長を促すことができるよう、教育環境の充実を図ってまいります。

市民の健康づくりや生きがいづくりの支援として、保健センターの建て替えを進めてまいります。新年度に建設工事に着手し、平成22年度中の完成を目指し、市民の健康づくりの新たな拠点となる施設にしてまいります。

また、刈谷豊田総合病院が行う高度先端医療にも対応できる手術棟などの施設整備に対し助成を行い、地域医療や救急診療の充実を図ってまいります。


次に、産業の振興として、農業の経営安定化や後継者対策といった面から、営農組織の法人化に向けた取り組みを進めてまいります。現在、南部地区において、法人化に向けた準備がなされているところであり、各営農組織やあいち中央農協とともに、将来に向けた農業施策のあり方などを検討してまいります。

商工業においては、経済状況が悪化をしている中、市内中小企業や小売店においても、大変厳しい状況であると伺っております。資金融資制度等を積極的にPRし、活用していただくとともに、商工会議所とも連携を図りながら、支援を行ってまいりたいと考えています。

また、雇用不安が広がる中、昨年末から本市としての緊急雇用対策を実施しておりますが、今後もさらにその状況は深刻になると予想され、経済状況や雇用情勢を注意深く見守り、対策を検討してまいります。


次に、子どもたちへの確かな学力の定着と教育環境の充実として、教育施設の充実とともに、学習の基礎、基本の確実な習得と、個々の児童生徒にあわせたきめ細かな指導育成ができるように努めてまいります。

新年度から、35人以下の少人数学級を中学校1年生において始めてまいります。今後も、少人数学級の拡充を要望するとともに、市としては、新たに理数大好き推進事業として、これまで培ってきた理科教育などの成果も踏まえ、様々な体験学習、企業や大学との連携を行うなど、授業に工夫を凝らし、子どもたちの学習意欲や興味を高めるなどの取り組みを進めてまいります。

教育施設の充実としては、老朽化した校舎や体育館などの建て替え、児童生徒の増加に対応した校舎の増築などを進めてまいります。本年度から着手しました双葉小学校北舎と小垣江小学校体育館は、新年度の完成を目指すほか、児童生徒の増加に対応するため、新たに、雁が音中学校の増築工事と、日高小学校の増築のための実施設計を進めてまいります。

このほか、築30年を経過する小中学校の大規模な改修のための実施設計を行うとともに、本年度から建替工事に着手している第二学校給食センターについては、新年度、二学期からの稼動を目指してまいります。

次に、「うるおい」であります。

快適で住みやすい都市基盤の整備は、本市が将来にわたり、着実な成長を続けるための大切な視点であると考えております。

交通集中による渋滞など都市が持つ特有の課題の解消に向け、生活基盤の整備とあわせて、継続的に進めている事業の早期完了を目指してまいります。

はじめに、快適な交通機能の整備として、渋滞緩和のために進めております刈谷駅南北連絡道路及び市道2−622号線の整備の早期完了を目指し、積極的に推進してまいります。

また、南北縦貫道路の一部である市道01−4号線及び市道01−40号線をはじめ、バイパス機能を備えた幹線道路の整備を着実に進めていくとともに、生活道路の整備についても、地元の協力を得て、物件の移転交渉や用地取得に取り組んでまいります。

渋滞対策の一つとして有効な手段である交差点改良は、新年度、中手新池線の中川町交差点右折帯の設置工事を行ってまいります。また、下重原交差点の改良に向け、東海道本線をまたぐ重原跨線橋の改良などについて、JR東海との協議を行ってまいります。

このほか、交通の諸課題を整理し、本市の将来にとって望ましい道路体系などを示す「道路整備プログラム」の策定に、本年度から着手しました。新年度以降も検討を進め、道路整備の重点化などを図ってまいります。また、JR刈谷駅の混雑緩和については、新年度に、ホームの階段の増設や改札口の移設改修などの工事を行ってまいります。


次に、緑に包まれた都市空間や魅力ある都市基盤の整備として、新年度から緑化推進基金を活用し、市民が行う生垣設置、屋上緑化、壁面緑化などに対し助成を行ってまいります。街中に緑の映える光景が多くなるよう、多くの方に協力をいただければと思っております。

亀城公園の整備については、本年度、再整備の基本方針を策定していますが、新年度も、引き続き、城址公園的な整備の検討とあわせ、第一工区の整備として園路や桜の植え替えなどを進めるための実施設計を行ってまいります。

市街地の整備としては、昨年5月に、昭和48年から着手した北刈谷第二土地区画整理事業の換地処分を行い、事業の完了を見ることができました。着手当時の風景と比べると街としての成長が実感できます。小垣江駅東部、半城土高須、野田北部の3つの土地区画整理事業についても、早期の完了を目指し、事業の推進に取り組んでまいります。


次に、地球にやさしい環境施策の推進として、低炭素・低燃費型の持続可能な環境都市を目指し、本年度から環境都市アクションプランの策定に着手しました。新年度以降も、市民・企業・大学・行政などが連携し、それぞれが持つ技術・情報・行動力を生かしたプランの策定に取り組んでまいります。

地球温暖化の主な要因である二酸化炭素の排出削減に寄与する低公害車の普及促進については、平成11年度から購入者に対し助成を行っておりますが、新年度から助成額を増額し、低公害車の一層の普及促進を図ってまいります。

資源回収については、本年度、高津波地区をモデルにスタートした紙類のステーション回収を、新年度から全地区で実施してまいります。また、地域における資源回収活動を支援するため、本年度から補助制度を新設し、2地区をモデルに資源回収所の設置を支援してまいりました。引き続き、新年度以降も、他の地区での設置促進に努めるとともに、地区などが行う資源回収に対する報償金の引き上げを行い、資源回収活動の支援の充実と資源回収量の増加を図ってまいります。

このほか、事業者の協力を得て、本年2月から始まりましたレジ袋の有料化についても、参加店舗を拡大するとともに、広く市民に浸透するよう啓発に努めてまいります。更に、本年度中に見直しが完了する一般廃棄物処理基本計画の施策を計画的に推進するなど、資源循環型社会の構築に努めてまいります。

また、市民からの要望が強い青山斎園の葬祭場の整備について、新年度は葬祭場の増設に向けた実施設計を行ってまいります。

次に、「いろどり」であります。

歴史や文化を未来へと引き継ぎ、文化やスポーツといった生涯学習など幅広い市民の自主的な活動を支援し、施策の推進に努めてまいります。


自然に親しむことができる環境の整備として、総合運動公園に隣接する桜堤の延長整備を行ってまいります。国道23号から通学橋までの約360メートルの区間において、逢妻川の左岸堤を利用し、桜の植樹を行ってまいります。新年度は、そのための実施設計を行ってまいります。

平成18年度から整備工事に着手しております交通児童遊園の再整備は、新年度に完了の予定であります。今まで以上に、多くの方に利用していただければと思っています。

このほか、天然記念物であります小堤西池のかきつばた群落の保護増殖など、貴重な自然環境の保護にも取り組んでまいります。


次に、スポーツや文化に親しむ環境の整備として、美術館において「大江戸の賑わい展」「かわ河め目てい悌じ二展」「いわさきちひろ展」などを開催してまいります。

また、図書館においては、新年度からパソコンや携帯電話で図書の貸出予約ができるシステムが稼動いたします。今まで以上に利便性が向上するものと思っています。

新年度には、刈谷駅南地区の再開発事業の中で整備を進めています総合文化センターが完成いたします。市民の期待に応えられる施設となるよう、オープンに向けた準備に取り組んでまいります。

スポーツ施設の整備として、陸上競技場の3種公認の更新に向け、ウェーブスタジアムの改修工事を行ってまいります。総合運動公園は、市民にも大変好評をいただいており、ウィングアリーナ、グリーングラウンドとともに、今後とも良好な施設環境を維持し、市民のスポーツの拠点となるよう努めてまいります。


次に、郷土の財産の継承などとして、本市にゆかりのある著名な方の生涯を紹介する刈谷偉人伝作成事業を行ってまいります。数年間をかけ、毎年1本程度DVDを作成し、市民の方にご覧いただけるようにするとともに、子どもたちの学習活動の中でも活用してまいります。

また、依佐美送信所記念館で保存展示している通信機器が、国内では9例目となる国際電子学会(IEEE)のマイルストーン認定を受けました。新年度に受賞式や記念講演等を行い、市内外へ広く施設のPRなどを行ってまいりたいと考えております。

最後に、「しんらい」であります。

冒頭に申し上げましたとおり、大変厳しい経済状況の中、市民から信頼される行政でなければなりません。

今議会において、「刈谷市共存・協働のまちづくり推進条例」を上程しております。市民がまちづくりの主役となり、市民一人ひとりが主体的に共存・協働の心を持ち、対話や交流を重ね、理解と共感を大切にし、協力し合う関係を生み出しながら、様々な形でまちづくりに貢献する"共存・協働のまちづくり"の実現を図ってまいりたいと考えております。新年度以降は、条例に掲げる基本理念にのっとり、市民、地域団体、市民活動団体や事業者の皆様とともに、具体的な施策を推進してまいります。

また、市民の利便性の向上の一つとして、軽自動車税や水道料金などのコンビニ納付を開始するとともに、新たに市税の滞納処理対策として、インターネット公売を行ってまいります。

新庁舎の建設工事に伴い、来庁される方にはご迷惑をお掛けしていることと思いますが、市民の皆様にとって使いやすく、親しみやすい施設にするとともに、災害に対し十分な対応能力を兼ね備えた本部機能としての役割が果たせるよう事業を推進してまいります。

このほか、本年度から、まちづくりナビ構築事業として、第7次総合計画の策定に着手しております。本年度実施しております市民意識調査、現況調査、第6次総合計画の評価や反省を踏まえ、新年度は市民会議を開催し、市民からの施策提案も受けながら、計画の策定を進めてまいります。

組織機構の見直しとしては、新年度から、保育園と幼稚園の業務を一体的に管理運営する「子ども課」を新設してまいります。また、刈谷駅南地区再開発事業も完了間近となりましたので、再開発課を廃止し、都市計画課の中に再開発関連の業務を行う担当を設置してまいります。引き続き、市民ニーズや社会的課題に対応するため、必要に応じ、組織機構の見直しを進めてまいります。


以上、これまで申し上げてまいりました施策や事業を着実に進めることにより、厳しい社会情勢の中ではありますが、市民の皆様が"元気で幸せ"を実感できるまちづくりに全力で取り組んでまいります。

予算の大綱

次に予算の大綱についてご説明申し上げます。

国においては、平成21年度予算編成に当たって、財政健全化に向けた基本的方向性を維持しつつ、世界の経済金融情勢の変化を受け、内需拡大と成長力強化等に向けて、状況に応じた果断な対応を機動的かつ弾力的に行うとしています。さらに、予算配分の重点化に当たっては、「生活者の暮らしの安心」、「金融・経済の安定強化」及び「地方の底力の発揮」に施策を集中させることとしています。

こうした国の状況を踏まえ、本市におきましては、厳しい経済状況の中にあっても、健全で安定した財政を基本とし、効率的で効果的な行政運営を進めるとともに、真に必要な事業を見極め、市民の皆様の信頼に応えるため、各種施策に取り組んでまいります。

平成21年度当初予算につきましては、特に「やすらぎ」と「いきがい」に重点を置いた市民の生活重視予算と位置づけ、大きな視点と細やかな気配りにより、まちの魅力を高め、将来に向けて安心して生活できることを目指した「やすらぎを未来につなぐ暮らし充実予算」とさせていただきます。

予算の概要につきましては、一般会計が580億4,000万円で、これは前年度当初予算と比較しまして、3.3パーセントの増であります。

また、土地区画整理事業、下水道事業、国民健康保険、介護保険等特別会計は、219億9,223万9千円、水道事業会計は39億6,992万3千円であります。全会計の総合計は、840億216万2千円で、前年度と比較しまして、0.7パーセントの減となっております。

この内、一般会計の歳入につきましては、歳入の根幹をなす市税が296億6,848万円で、前年度と比較しまして、14.7パーセントの減を見込んでおります。

次に歳出につきましては、構成比で最も大きな割合を占めているのは、小中学校、幼稚園の整備、総合文化センター取得を中心とした教育費で28.1パーセントの162億9,197万円であります。

ついで、高齢者、障害者福祉、子育て支援を中心とした民生費で、19.9パーセントの115億5,791万8千円、次に、庁舎建設を含む総務費の16.9パーセントの97億8,943万6千円であります。なお、歳出に占める投資的経費の割合は、37.0パーセントであります。

一般議案

次に一般議案についてご説明申し上げます。

今回提案しておりますのは、報告案件2件、承認案件1件、単行議案1件、条例議案15件、予算議案16件の合計35件であります。

まず、報告案件につきましては、損害賠償の額を定める専決処分及び刈谷市土地開発公社の平成21年度事業計画及び予算についてであります。

承認案件につきましては、定額給付金給付事業などに伴う平成20年度刈谷市一般会計補正予算の専決処分についてであります。

単行議案につきましては、市道路線の認定及び変更についてであります。

条例議案につきましては、刈谷市共存・協働のまちづくり推進条例、みなくる広場条例を制定するもの、刈谷市民会館条例を廃止するものなどであります。

このほか、一般会計、特別会計あわせまして23億6,452万4千円を減額する平成20年度補正予算も提出いたしております。その主な内容は、一般会計の歳入において、市税の増加、都市開発基金からの繰入金の減額などであり、歳出は、財政調整基金への積立や年度間の事業費の調整による刈谷駅南地区再開発公益施設取得事業の減額などであります。

また、住吉住宅(2期)建設事業の継続費の変更、交通児童遊園施設整備事業などの繰越明許費の追加も同時にお願いしております。

今回も多くの方々からご寄付をいただきました。心から厚くお礼申し上げます。


以上、平成21年度を迎えるにあたり、所信の一端と提出議案の概要を述べさせていただきました。

議員各位並びに市民の皆様の深いご理解とご協力をいただき、本市の都市像であります「人にやさしい快適産業文化都市」の実現に向けて、"元気で幸せ"を実感できるまちづくりを、職員ともども全力を尽して進めていく所存であります。

ご提案申し上げました諸議案につきまして、よろしくご審議賜りご賛同いただきますよう心からお願い申し上げ、説明を終わらせていただきます。