市長 |
神谷さん、昨年一年間は青年会議所の理事長としてのご活躍大変お疲れ様でした。特に昨年はJCを行動的政策集団と位置付けて、市民会議を初めとした私ども行政に対しての各種の政策提言や、具体的なまちづくり運動といった形で、これまでのJC運動にくらべて一歩踏み込んだまちづくり運動を展開してみえたように思うのですが。 |
神谷 |
市長さんには昨年一年間、私どもJC運動に対して格別のご理解とご支援を賜りまして誠にありがとうございました。 確かに只今市長さんの言われた通り、自分としてはこれまでの運動より一歩踏み込んだように思っています。 |
市長 |
やはり意識的に一歩踏み込んだ運動をしてみえたわけですか。 それはどのような考えからですか。 |
神谷 |
全国のJC運動の流れも同じ様な方向にあるのですが。 『行政主導のまちづくり』から『市民主導のまちづくり』へ変えていこうという運動の流れがあります。 |
市長 |
もう少し具体的に話してくれますか。 |
神谷 |
私が理事長をする2年前の1995年に起こった阪神・淡路大震災が、私ども日本青年会議所の運動の方向性を大きく変えたと思っています。 |
市長 |
と言うと。 |
神谷 |
私ども刈谷JCも復旧ボランティアとして西ノ宮の地へ駆け付けたのですが、そこで目にしたものは、建物が崩壊した悲惨な町並みと同時に、この非常時にこれまでの行政主導の社会システムが全く機能しない現実でした。 その代わりに復興にむけて大きな力になったのは、避難所の不安な生活の中で、互いに励まし合い、助け合い、支え合うという人間関係であり、コミュニティーの絆でした。 そしてそこで気付いたことは、真のまちづくりとは行政まかせでなく、そこにすむ人々が自分たちの生活の中から出発して、自分自身で意見を出して実践して行くべきものだという考え方です。 |
市長 |
それが市民主導という考え方の基本になっているのですね。 |
神谷 |
そうです。 そして今後くる超高齢社会の到来を考えた時、これまでの行政システムではとても対応できないことが平常時にも起きてくるのだと思います。 たとえば、お年寄りの介護の問題や、ゴミ問題のような身近な環境問題については、画一的な施策ではなく、それぞれの地域の特性や、家庭の事情に合わせ、きめこまやかで多様性に富んだ施策が必要になってくると思います。 |
市長 |
確かに行政は基本的には公平性や平等生を求められますが、これからの高齢化社会を考えた時には、多様性のあるサービスが必要になってきますよね。 |
神谷 |
その際に大切なのは、そこで暮らす市民一人ひとりの目の高さでの施策だと思います。 いわば生活者としての視点だと思います。 そこで市民会議という手法を使って、生活者の視点での刈谷のまちづくりに対して政策提言を行なって来ました。 |
市長 |
私も幾度か参加させていただき、報告書も見せていただきましたが「ケナフを使った環境教育の実施」とか「アイドリングストップ運動の推進」や「スポーツを通したまちづくり」など興味深い提案もあり、現在刈谷市の施策の中で参考にさせていただいているものも数多くあります。 |
神谷 |
ありがとうございます。 でも私は、市民会議のメンバーやJCメンバーには申し上げたのですが、単に行政に対する政策提言をするだけで終わらせてはだめだと思っています。 自ら実践できるものは実践したり、政策の実現のために働き掛けをすること、つまり具体的に行動することが大切なのだと思います。 |
市長 |
その通りですね。 市政を預かる私にとってはとても力強いご意見です。 |
神谷 |
町に対して関心をもち、行政に対して政策提言をし、そして自らも行動するといった、市民ひとり一人のまちづくりへの参画意識を高めて行くことがまず大切なのだと思います。 |
市長 |
私どもとしても、市民の皆様の生の声をできるだけ施策の中で反映させて行きたいと思っています。 |
神谷 |
ありがとうございます。 市民のまちづくりに参加して行こうという意識がいくら高まっても、その声を聞いていただく行政側のしくみがなければ、その意識もいつしか萎んでしまうと思いますので、ぜひその点は市長さんにお願いしたいと思います。 |
市長 |
JCとしてはその他にどんなことを手掛けて来たのですか。 |
神谷 |
皆様が一番よく知っている事業としては、わんさかまつりだと思います。 残念ながら昨年は雨で途中までで中止となってしまいましたが。 |
市長 |
本当に残念でしたね。 特に昨年は、市民ボランティアのみなさんの企画を大切にしていこうということで、企画委員会を神谷さんに作っていただいて、お化け屋敷なども予定していたのに、天候には勝てませんね。 |
神谷 |
その他、昨年より碧海市構想を勉強したり、市民の皆様とそのテーマについて考えて行く委員会である『広域行政特別委員会』をもうけました。 その結果昨年の総会において刈谷JCとしては「碧海市構想を推進して行く」という決議がされ、本年神野理事長の下、具体的な事業として受け継がれています。 |
市長 |
ところで神谷さんは、魚勉さんという食品会社を経営されている傍ら、JC運動のようなまちづくり運動に積極的に関わっておみえになりますが、神谷さんをまちづくり運動に駆り立てる原動力は何ですか。 |
神谷 |
私は生まれ育ち今も暮らしているこの刈谷のまちが大好きです。 だから、若さと行動力で新しい刈谷の未来を作りたいと思いますし、刈谷の発展は我々若者に託されているのだと、という気概を持っています。 自分たちの将来、そして自分の子供達に豊かな社会を残すために、努力して行きたいと思っています。 |
市長 |
大変心強い限りです。 神谷さんのような若者が今後も増えていくことを期待しています。 また、皆様方の行動力が刈谷の未来にプラスになるよう、私たち行政を預かる者も積極的に応援して行きたいと考えています。 これからもガンバッテ下さい。 |