刈谷市議会 3月議会

2月19日(木)~3月24日(火)までの会期で刈谷市議会3月定例会が開催されました。今回は18名の議員が質問質疑(一般質問)に登壇し、36の議案が審議されました。今回のコロンブスレポートでは、その中で話し合われた『議案』や『一般質問』『委員会での議論』の中から、いくつかの項目について判りやすく解説して行きます。

1.出産後の健診を無料にします

刈谷市では国の制度に先駆けて、平成20年度より妊婦の健診を14回まで無料にしていました。これは、妊娠から出産までにかかる費用を軽減して、安心して子どもを産み育てのことができるようにするためです。そして、平成21年度からは更に、出産後の健康診査も1回無料とすることになりました。

2.第3子以降の保育料を無料にします

平成19年7月から、第3子以降の子どもさんの内、3歳未満の児童については保育料を無料にしてきましたが、平成21年度からはこの「3歳未満の児童」という枠を外して、幼稚園・保育園共に全て第3子以降の保育料を無料にします。対象は幼稚園では約300人、保育園では約200人です。

3.亀城公園を整備して歴史博物館を建設します

城址公園的な桜の名所として亀城公園の再整備を行います。平成21年度は測量と設計予算が組まれています。また、体育館の北側に歴史博物館を建設することになりました。亀城公園の再整備計画と連携をとりながら、亀城公園と一体となった歴史博物館の建設を進めて行きます。

4.ハイブリット車購入補助金を増額します

補助金の上限を8万円としていたものを平成21年と22年については一律12万円とします。環境対策の目的以外に景気対策としての側面もあります。

5.刈谷豊田総合病院の手術棟建設に補助金を出します

刈谷豊田総合病院が、高度医療機器を駆使した外科手術に対応するため、新たに総額約68億円をかけて手術棟を建設することになりました。刈谷市では総合病院を「市民病院的な病院」と位置づけていますので、建設費のうち7億4,500万円を補助することになりました。平成21年度は2億1,000万円、平成22年度は5億3,500万円と2ヶ年に分けての補助です。

6.障害者用グループホームの整備を促進します

障害のある人が地域で自立した生活を送ることが出来るよう、その居住の場となるグループホーム・ケアホームの整備を促進すると共に、入居者の日常生活の支援体制を強化します。具体的には、社会福祉法人やNPOが施設を整備(改修)するための費用を上限450万円(補助率4分の3まで)、夜間の運営補助として約160万円を補助します。

7.障害者への相談支援事業を開始します

障害のある人やその家族からの相談に応じる窓口として、市役所障害福祉課の窓口以外に、新たに2ヶ所で相談支援専門員を配置して相談支援事業を実施します。

1. 委託先:刈谷市社会福祉協議会
相談場所:高齢者福祉センター(ひまわり)
対象者:主に身体障害・知的障害のある方
2. 委託先:医療法人成精会(刈谷病院)
相談場所:心身障害者福祉会館(ふれあい)
対象者:主に精神障害のある方

8.介護保険料は据え置きです

介護保険は3年毎に見直しをするルールになっています。平成21年度から23年度の給付見込額などから保険料を算出した結果、基準額は月4,121円と試算されました。現状が3,700円ですから、値上げとなってしまうのですが、家計が厳しいこんな時に値上げをすべきではありません。そこで、基金の取り崩しや国からの交付金により現行の3,700円を据え置くことにしました。また、所得による保険料率区分を現行の7段階から9段階に増やしたことにより、約5800人の方は保険料が引き下げとなります。

9.インターネット公売を開始します

市民税・固定資産税・国保税の悪質な滞納者に対して、車や家電製品などの差押を実施して、物件をインターネットで公売をするというものです。「滞納は許さない!」という市の姿勢をPRする効果もあると思います。

10.児童クラブ(学童保育)施設を学校の敷地内に建設します

現在15ある児童クラブの内、10の児童クラブが学校敷地の外に整備されていますが、児童の安全性や利便性確保のために学校敷地内に移転します。平成21年度は、小高原・双葉・東刈谷小の3校で建設します。

11.紙資源類の回収に力を入れます

クリーンセンターに持ち込まれる可燃ごみの組成分析を行なうと約38%が紙類でした。その内の約5割は新聞・雑誌・ダンボールだと推定されています。そこで、紙類の回収に力を入れて、可燃ごみの減量化に努めます。具体的には・・・

[紙類回収事業]
平成21年5月から、市内全域の不燃ごみステーションにて、新聞・雑誌・ダンボールの分別収集を月2回行ないます。
[資源回収所設置費補助事業]
自治会が資源回収所を設置した場合、その費用に対して補助金を交付します。本年、高津波と西境地区で試験的に実施したものを、全地区に広げてゆくものです。補助率は経費の10分の9、上限額は60万円です。
[資源回収奨励報償金の引き上げ]
これまで1Kg当たり5円であったものを6円(年間回収日の計画表を提出するなど一定要件を満たした団体は1Kg7円)に引き上げます。

12.市民館へのエレベーター設置いよいよ工事が始まります

以前からこの[市民館へのエレベーター設置]はお知らせして来ましたが、平成21年度は5つの市民館(西境・高津波・中部・築地・小山)で工事がスタートします。そして、来年度設置に向けて更に5つの市民館(高須・一ツ木・元刈谷・東部・重原)の設計を行ないます。実はこの[市民館へのエレベーター設置]、私は平成13年12月議会の文教委員会でその設置を要望していました。当時の生涯学習部長さんの答弁は「市民館のバリアフリー化は13年度と14年度の2年にかけて段差の解消を主にバリアフリー化するものでありまして、現在のバリアフリー化の中にはエレベーターの設置計画はございません。」という素っ気無いものでした。多分、当時は[市民館へエレベーターを設置する]などということは突拍子もない提案に映ったのだと思います。あれから約8年・・・今回の設置は感慨ひとしおです。

13.[第1子出産家庭への助産師訪問]→第2子以降も含め、全家庭に拡充します

昨年までは、生後4ヶ月までの第1子を持つ全家庭を助産師が訪問して、健康指導・授乳指導・子育て相談などを行っていましたが、平成21年度からは第2子以降も含め、全家庭に拡充します。

14.青山斎園に葬祭場を増設します

これにより1日に2組の葬儀を行うことが可能になります。また、小規模な葬儀に対応することも出来ます。平成21年度は設計の予算が付いています。

[番外編] 愛知県の行なうことですが・・・国道419号線一部区間を拡幅します

場所は、松栄町3丁目交差点(以前は日本料理網元のあった所です)から上沢渡東交差点南(刈谷消防署南分署のあたり)までの2.6Kmです。平成21年度から工事を始めて平成23年度に完了予定で4車線に拡幅します。ご存知、朝夕のピーク時を中心に交通渋滞が激しい区間です。これで少しは混雑が緩和され、安全性も高まるのではないかと期待しています。


公共施設の再編!

市役所内に設けられた「公共施設活用等検討部会」で話し合いをしていた[公共施設の再編案]が、3月議会企画総務委員会で示されました。

※機能が移転する「市民ボランティア活動支援センター」と「中部適応指導教室」の建物については、当面は現状のままとして、将来的には建物の取り壊しも含めて活用を検討します
現施設名活用方針スケジュール
21年度22年度23年度24年度25年度
市役所南庁舎
市役所南庁舎
  • 施設を改修し、活用する。
  • 市民活動や交流のセンター的施設とする。
    • 社会教育センター(機能移転)
    • 市民ボランティア活動支援
    • センター(機能移転)
    • (仮称)国際センター(新設)
基本計画 実施設計 改修工事
市民会館
市民会館
  • 市民会館の機能は廃止し、建物を取り壊す。
  • 公園及び災害活動用空地等とする。
公園・広場整備設計 取壊工事 都計変更整備工事 整備工事
青葉福祉センター
青葉福祉センター
  • 建物は取り壊す。
  • 老人センターは、高齢者福祉センターなどに、機能を吸収し、児童館は、なのはな児童クラブ移転後の施設へ機能を移転する。
  • 跡地の活用は今後、検討する。
取壊工事
保健センター
保健センター
  • 障害者自立支援施設として活用する。
    • 就労相談支援センター機能
    • 地域活動支援センター機能
改修設計 改修工事
社会教育センター
社会教育センター
  • 子ども相談センターとして活用する
    • 中部適応指導教室機能
    • 子ども相談の総合窓口機能
改修設計 改修工事

市民アンケート 80.5%が「住みやすい」との評価

昨年11月から12月にかけて刈谷市では、第7次総合計画策定のための基本調査としてアンケートを実施しました。刈谷市内在住の20歳以上の市民から無作為に5000人を抽出して、郵送による配布・回収の結果、約58%の回答があり、その結果が63ページからなる報告書として纏められています。
ところで、「14万5000人の人口のうち、約2900人からの調査できちんと民意が反映されているのか」という疑問もありますが、当局にその点を確認したところ「統計学的には500人ほどの調査でも正確に民意を把握できる」とのことでした。

その中で、[住みやすさの評価]と[これからの居住意向]については平成11年の調査から経年比較がされており、「住みやすい」と「これからも住み続けたい」の評価は着実にUPしていました。平成11年から市議会議員として刈谷のまちづくりに若干でも携わってきた者としては、正直嬉しくなるような評価です。しかし「この評価に驕ることなかれ、更なる向上を目指して謙虚に努力を!」です。

また、市内の中学2年生全員(有効回収率95.7%)に対しても同種のアンケートを行っていました。こちらも、「刈谷市は住みやすいまちですか」の質問に対しては94.5%の生徒が「住みやすい」と答えてくれていました。大人の評価以上にこちらの結果の方が嬉しい気がします。

「総合的にみて、刈谷市は住みよいところだと感じますか」に対する回答
20年度20年度20年度20年度20年度20年度
住みやすい80.5%78.6%76.5%73.9%67.9%66.7%
どちらともいえない14.4%16.3%17.2%19.6%20.4%9.1%
住みにくい4.0%4.4%5.7%5.6%8.1%19.9%
「これからも刈谷市に住み続けたいと思いますか」に対する回答
20年度20年度20年度20年度20年度20年度
住み続けたい86.1%84.2%83.6%81.4%76.1%75.9%
移転したい5.7%5.6%6.0%6.6%9.3%17.4%

SNAP×SNAP 【後援会主催 お伊勢さん初詣となばなの里イルミネーション】

1月29日(火)に行いました、神谷まさひろ後援会主催による『お伊勢さん初詣』に参加された若松町の杉浦節子さんから、今年も[参加しての感想]が寄せられました。
杉浦節子さんは平成6年頃からエッセーを書き始め、『虹色のセーター 私の小さな足あと』という本を出版されたり、市が行っている[家族への手紙コンクール]などで何度も入賞されています。
参加された皆さんの笑顔と共に、杉浦さんの感想文を紹介します。

平成21年1月29日(木)神谷まさひろ後援会主催の『お伊勢さん初詣となばなの里』に参加した。バス3台に分乗した参加者は96名。昭和35年生まれ(ねずみ年)の議員歴10年目の神谷まさひろさんは、刈谷市議会副議長に就任し、大活躍中。

穏かな小春日和に恵まれ、先ずは外宮へ参拝。昼食は伊勢志摩ロイヤルホテル。次に内宮へ。宇治橋をかけ替えるため、仮の橋が造られていた。参拝後の帰りは、その仮橋を渡って来た。1300年前から続いている、20年に1度の[式年遷宮祭]が平成25年に行なわれる。このあたりの材木が少なくなり、信州の方からも取り寄せるらしい。おかげ横丁を、右と左をキョロキョロしながら一周する。去年はあの騒動ですっかり姿を消していた赤福餅が、今年はバス内で、しっかり注文書が回ってきた。

走るバスの外が暗くなり、いよいよなばなの里へ到着。赤・白・黄・緑・青・紫と、キラキラ放つ450万球の光の祭典が、「刈谷からようこそ」と迎え入れてくれた。まばゆく過ぎる光のトンネルに思わず「わぁー」と驚嘆。自分がシンデレラ姫になったような気分で、そっと通り抜ける。トンネルを出たところの高台から見下ろすと、一面光の海が波打つ。その中に、突然大きな蝶が姿を現し、ゆらゆら羽を広げる。池の中に逆さに写る木々。思わず足を止め、不思議な水の鏡に見入る。水上イルミネーションは、いつまで眺めていても飽きない。ベゴニアガーデンに入る。電飾の色彩とは異なり、生きた色とりどりのベゴニアが雛壇のように並べられ、天井からも長く垂れ下がっていた。ぐるぐる回っていたら小腹が空いたので、並んでコロッケを買う。揚げたてでおいしかった。目を閉じると、なばなの里の美しい夜景が浮かんでくる。みなさんありがとう。


市民会館 廃館

平成21年度で廃館することが決まった市民会館ですが、昭和40年から長きに渡り、各種イベントを通じて沢山の感動を私たち市民に提供してきました。そのような感動の一場面を、私の日記の中から紹介します・・・・

2月14日(土)

後援会の皆さまと共に、市民会館自主事業『バレンタインコンサート 情熱の恋』に出かけました。以前は全く縁のなかった私ですが、数年前に刈谷音楽協会が設立されて以降、クラシックにも触れる機会が増えてきました。「良い音楽を聴くと心が癒される」と言いますが、自律神経やホルモンの関係なのか良く判りませんが、心だけではなく体全体が癒されるような気がします。

今日は、音楽そのものの感動以外に、もう1つ胸が熱くなる出来事がありました。今日の出演者のひとりソプラノ歌手の谷田育代さんは、近藤勲議員の娘さんです。愛知県立芸術大学音楽部声楽科を首席で卒業され、各種コンクールで賞を受賞され、現在はプロの声楽家として活躍される傍ら、大学でも講師を勤められています。

勲さん、「娘の舞台はほとんど見たことがない」そうでしたが、今日は奥様に車椅子を押してもらって客席に来られました。席は私の斜め後ろです。娘さんの出番の時「立派に成長され、こうして活躍されている我が子の姿を見る父親の気持ちって、どんなんだろうなぁ」「感慨ひとしおだろうなぁ」、同じように娘を持つ父親として、そのようなことを考えながら、ふと後ろを振り返ると、顔をクシャクシャにして涙を流している勲さんの姿がありました。こちらも、思わずもらい泣きです。

途中、娘さんが客席に降りて、勲さんの座っている横の通路で歌う場面がありました。多くの方は「あれは、始めから予定にあった演出だよ」と言うのですが、私は、舞台上で父親の姿を見つけた谷田さんが、急きょとった行動だと思っています。娘から父親への、心のこもったバレンタインプレゼントだと・・・。

クラシックコンサートを聴きに来て、ハンカチを濡らして帰るとは思いませんでしたが、感動的な素敵な時間を過ごさせてもらいました。近藤勲議員とは政治のスタイルや手法は全く違う私ですが、その人情味溢れる人柄が大好きです。今は議会活動の傍ら、病気のリハビリにも取り組んでみえますが、こうしたご家族の愛情により一日も早く全快されることをお祈りしています。